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建築設計の基本は住宅人が住むには、生物として生存するために、まず外部の環境や災害から守られるためのシェルター(殻)が必要になります。 これは衣服の延長としての殻で、殻はある程度の骨組みとそれを覆う外皮があって、風雨や外力では簡単に壊れない強度が必要です。殻には出入り口があって、殻の中には呼吸ができてそして体温を保てる環境と、安全に身体を横たえて睡眠をとれるスペースが必要になります。これが住宅の原点です。この段階ではまだ「巣」と同じと言えるでしょう。 あとはこのスペースの中でどういう活動をするかによって大きさや様々な機能が加わり、さらに気候や風土によって、いろんなつくりかたの住宅ができます。火の使い方、食べ物の貯蔵のしかた、資材の種類、そして家族や人の集まり方によって住宅は変わります。この原則は古くから現在に至るまで変わっていません。 しかし住宅はシェルターであるだけでは人が生き物として生きることができるだけであり、感情や意志をもつ人間にはそれだけでは不足です。たとえば生き物に必要な排泄には、人の目を避けるスペースが必要です。被災したときに一時的に体育館などに避難することがあり、そこでの生活が数日続くと、やがて人は人の目を避けるスペースが欲しくなります。 このような欲求は本来は文化により大きく違います。しかし現代の先進諸国での生活文化とそれに必要な環境としての住宅はとても似てきています。生活を便利にするためには給排水衛生設備、電気設備が欠かせないし、空気調和設備も必要です。所持する家具備品も増える一方です。設備にかかるランニングコストも下げたい。近年はユニバーサルデザインも当然。 ところがイニシャル建築コストは下げたい。そして住宅は単独で建っているだけではなく、近隣の家並みとも調和がとれなければならなりません。 このように相反する条件に優先順位をつけて、コストの範囲内で折り合いをつけ、そして設計者のオリジナリティを加えながら依頼主に満足してもらうこと。これが建築家の役割です。 このように住宅は、生き物のシェルターであり同時に感情や意志をもつ人間の活動するスペースとして、そして人が集まって住むまちを作る要素として、相反する複雑な条件を解決しながら設計しなければならなりません。住宅設計は建築設計の基本という意味はここにあります。
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